2013年03月28日

『ご家老様の贋札』執筆記(その24) シナリオ執筆編(11) 〜なまえをきいてもわからない〜

 2012年2月半ば。『ご家老様の贋札』のハコ書きを仕上げた片羽は勇躍、本文の執筆に取り掛かりました。この時のS1グランプリの締切は3月26日。日程に余裕はあるしハコの段階で物語の整合性は取れていたので後は原稿用紙を埋めていく単純作業………………の筈でした。これが現代劇だったなら。『ご家老様の贋札』の舞台は明治3年の福岡です。この頃の東京ならまだしも諸藩の町並みや生活態様は江戸時代のままでした。
 シナリオ本文を書き始めるまで本当に気が付かなかったのですが、片羽は時代劇の画面に出てくる物品の名称をほとんど知らなかったのです。登場人物が使う武器や道具も、福岡城や家老屋敷や城下町といった場所も、その他ちょっとした衣類やら食器やらもそれを何と呼称するのかわかりません。つまり頭の中では完成形の映像が描画されていながらそれをト書きの文章に起こせないという絶望的な状態でした。
 小生、時代劇小説を読んだことは少しありましたが浅田次郎の『壬生義士伝』に始まる幕末シリーズと、あとは池波正太郎の『鬼平犯科帳』『剣客商売』を少々といった程度。これでよくもまあ時代劇を書こうと思ったものだと我ながら呆れるばかりです。(しかし作者が当初三国志を諸葛孔明しか知らなかったのに10年近くもハイテンションで描き続けた漫画『蒼天航路』という例もあるから皆様も無謀なチャレンジをしてみる価値はあるというものですぞ)
 それで片羽結局どうしたかと言いますと、1行書いてはGoogleの神様にお伺いを立てることにしました。例えば当時のありふれた商船を画面に出したいと思ったら「江戸時代 木造船」で検索してヒントを拾い集め「弁才船」に行き着くといった具合です。
 しかし1行毎にこんな事やってて執筆ペースが上がる筈がありません。片羽的には2週間ぐらいで第一稿を上げてシナリオ・センターの有料添削に入れて…と目論んでいたのですが、3月初旬を迎えて第一稿は4割も埋まっていませんでした。
 焦った片羽がここで何をしたかというと自分に不足している時代劇スピリットの注入でした。いや別にコウ・ウラキのように腕に一本キメたわけじゃないですよ。ここで読者の皆様に想起していただきたいのは今年2月の『スカーフェイス』特集…(その25に続く)


posted by 片羽國雄 at 03:11| Comment(0) | シナリオ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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