2012年10月13日

『バーン・ノーティス』 〜こういう風に見えている!?〜(後編)

 『バーン・ノーティス 元スパイの逆襲』シーズン5第2話の悪役が人身売買を行う日本ヤクザだった件について、後編です。前回同様ネタバレ注意で。
 ドラマが真実を描くものとは片羽断じて思っちゃいませんし、まして海外ドラマにおける日本の描写なんか真に受けて悲しんだり怒ったりする奴はアホだと思うのですが今回は少々引っかかるものがありました。
 1980年代の名作刑事ドラマで同じくマイアミを舞台にした『マイアミ・バイス』でも日本ヤクザが出てくる話があり、実は日本のテレビでは未放映で近年のDVD化で初めて観ましたがシーズン4の第12話”RISING SUN OF DEATH”(邦題『マイアミ任侠伝 血塗られたライジングサン』)というエピソードです。
 バブル期のこととて日本企業がアメリカ企業を乗っ取ろうとして相手方の経営者を暗殺。主人公の刑事たちは捜査を開始するが日本企業の背後ではヤクザが暗躍しており、さらにヤクザ打倒に執念を燃やす日本の元刑事も事件に介入してきて乱戦の様相を呈する…というようなお話でしたが実際のところ事件の本筋はどうでも良くて、ヤクザとは名ばかりのユニホームのように揃いの全身タトゥーを入れた東洋人の軍団が寿司を食って芸者と風呂に入れる和風の秘密クラブを経営していたかと思えば突然指を詰めるわ切腹するわ、クライマックスはいつもの銃撃戦じゃなくてカンフー混じりのもっさりしたチャンバラだわ、とどめは前述の「揃いの全身タトゥー」の腹部やら秘密クラブの壁やらテーブルやらに漢字3文字で大書きされた実在の最大手の組名…ここだけちゃっかり誤字もないもんで「そりゃ放映できんわい!」なド怪作。このエピソード観たら映画『ライジング・サン』が『ダイハード』ぐらいに思えてくるので皆様もお試しあれです。
 さてこういう海外の映像作品における珍妙な日本描写を我々長年笑って眺めてきたわけですが、どうも今回の『バーン・ノーティス』に関しては何かが違う。………ヤクザの描写に違和感を感じないのです。
 この手のハリウッド作品の日本人は中国系や韓国系の俳優が演じることが多く顔立ちを一見して「違う!」感じなのですが、今回はそれがない。寿司も食べないし日本刀も振り回さず(アジトの合言葉がニホントーだったのはご愛嬌)、もちろん間違えてドラゴンの木彫りや青龍刀やキムチが登場することもありません。六本木で普通に出会えそうというか、北野武の映画のヤクザに近いソリッドな感じです。あえてツッコむなら悪党のタケダが小指は健在なのに薬指を詰めていたことぐらいでしょうか。
 あと京都在住の依頼人が自らマイアミに乗り込んで来た経緯なんですが、従妹の失踪を日本の警察が事件として捜査してくれなかったからだと言うのです。これも物凄くリアリティがあってイヤになりますね。マイケルが解決したこの事件、日本でどう報道されたかされなかったか気になって仕方ないところです。
 人をさらって売り飛ばすなんてインケツなことするのが『マイアミ・バイス』の変なヤクザであってくれたら絵空事と笑って流せたのでしょうが、困ったことに『バーン・ノーティス』のヤクザ描写はちゃんとし過ぎてて説得力を持っちゃってるのです。事実関係に検証の余地はあるにせよ日本人の関与する人身売買はドラマの題材になるほど海外で問題視されているのか!?それは物凄く恥ずべき状態ではないか!?と軽い衝撃を受けた片羽でした。

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↑『セント・オブ・ウーマン 夢の香り』から20年。美しさに磨きのかかったガブリエル・アンウォー。片羽は彼女目当てで『バーン・ノーティス』を観ています。


posted by 片羽國雄 at 00:28| Comment(0) | 海外ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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